ASEAN各国におけるスタートアップ支援について (2021.4.13)

当所の石川勇介弁理士が、日本弁理士会 国際活動センター委員を務め、以下の論文を共著で作成しましたので、ご紹介いたします。

<タイトル>
ASEAN各国におけるスタートアップ支援について
~シンガポール、インドネシア、マレーシアを中⼼に~(2021年3月作成)

<概要>
近時、様々な場⾯において知財関連の「スタートアップ支援」というキーワードを⽬にする。とりわけ、日本国特許庁(以下、「JP特許庁」)が進めるIPAS事業 (※)においては、弁護士・弁理士を含む専⾨家集団で構成される知財メンタリングチームが、ビジネス面及び知財面からスタートアップを支援するスキームが公表されており、既に多くの支援実績が報告されている。また、スタートアップを含む中小ベンチャー企業・小規模企業等を対象に、特許出願に係る様々な手数料の軽減措置、早期審査/スーパー早期審査、等の仕組みも既に⽤意されており、国内におけるスタートアップ支援の充実度は、年々増してきていると思われる。
他方、日系スタートアップが、グローバルレベルでのビジネス展開を想定する場合、日本国内における海外進出向けスタートアップ支援のみならず、ビジネス展開が想定される国毎のスタートアップ支援策を把握しておくことも重要である。
この点、日系スタートアップの海外進出という文脈からすると、通常、米国が真先に思い浮かぶと思われるが、今回は、近年スタートアップ・ハブとして注⽬されているシンガポールを中心とするASEAN各国、とりわけシンガポール、インドネシア、マレーシアにフォーカスして、これらの国々のスタートアップ支援に関する様々な制度等を以下紹介する。また、海外進出スタートアップに対する日本国内の支援策についても併せて紹介する。

※ IPAS事業: IP Acceleration Program for Startups (知財アクセラレーションプログラム)

<目次>
1. はじめに
2. シンガポール、インドネシア、マレーシアの経済概況
3. 海外進出スタートアップに対する日本国内の支援策
4. 各国の経済施策
5. 各国における早期権利化のための制度等
6. 海外進出スタートアップを支援する上で知っておくべき各国の特許制度
7. 総括

弁理士 石川勇介