【IPDB13-連載②】EV分野の出願状況(中国)(2022.11.2)
IPデータ集No.13のご紹介【IPDB13-連載②】をお届けします。
今回の内容は、第2部より、EV分野の出願状況(中国)について、解析した内容の一部抜粋となります。
前回の記事をご覧になっていない方は、「【IPDB13-連載①】IPデータ集No.13のご紹介と、第1部より日本・世界の知財、経済指標、技術分野別の知財動向」もぜひご覧ください。
※IPデータ集にご興味のある方は、IPデータ集のページ(https://www.tectra.jp/ipdata/)をご覧ください。
◆◆◆ No.13 第2部 より抜粋 ◆◆◆
- <目次>
- 第2部 知財に関するデータ分析 / IP Data Analysis
- 第1章 中台におけるEV分野の出願状況分析 / Analysis of Patent Applications in EV field in China and Taiwan
- 背景 / Background
- 第1節 中国 / China
- 背景 / Background
- 出願状況の分析結果(全体) / Analysis Result of Patent Applications (overall)
第1章 中台におけるEV分野の出願状況分析 / Analysis of Patent Applications in EV field in China and Taiwan
1 背景 / Background
近年、中国や台湾におけるAI分野の技術開発のめざましい発展に伴う出願(特許出願および実用新案登録出願を含む。以下同じ。)の増加が著しく、IPデータ集No.11、No.12では、中国や台湾におけるAI分野、とりわけAIコア技術分野の出願の実態を把握するために、出願状況分析を行い、考察した。
しかしながら、これらの国・地域で技術開発のめざましい発展に伴う出願の増加が著しい分野は、AI分野だけではない。例えば、地球温暖化の加速や、原油価格の高騰に伴うガソリン価格の上昇により、EV分野においても出願の増加が著しい。EVとは、Electric Vehicleの略称であり、電気自動車のことである。
また、2019年末に始まった新型コロナウイルス感染症の世界的流行による経済活動の制限により、EV分野における2019年末以降の出願(出願件数や出願人等)に多かれ少なかれ影響が出ていると予想され、2019年末以降の出願の傾向が気になるところであろう。
本章では、IPデータ集No.11、No.12に続き、中国および台湾(中台)に絞りEV分野の出願の実態を把握できるように、出願状況分析をそれぞれ行い、考察する。
第1節 中国 / China
背景 / Background
日本の内閣に相当する中国の国務院は、EVに関連する政策として、2012年に「省エネと新エネルギー自動車産業発展計画(2012~2020年)」を発表し、2020年に「新エネルギー自動車産業発展計画(2021~2035年)」を発表した。
新エネルギー自動車は、通常でない車両用燃料を動力源とする自動車の総称であり、純粋なEV、レンジエクステンダを搭載したEV、ハイブリッドEV、燃料電池EV、水素自動車などを含むが現時点ではそのほとんどがEVであるといっても過言ではない。
上記政策による強力なバックアップにより、中国におけるEV分野の出願件数が多いことや、近年急増していることは簡単に予想されるが、これだけでは、直近10年間の出願の実態、例えば、EV分野では国際特許分類(IPC)が多岐に亘って公報に付与されているがその主要分類別の出願件数の推移や、上位出願人別の出願件数等を把握しているとはいえない。
本節では、中国におけるEV分野の2011年以降の出願の実態を把握するために、2011年~2020年の出願状況分析を行い、考察する。
また、今までの常識では、EVは、自動車メーカーが主体となって作るものであって、非自動車メーカー主体でEVを作ることは考えられない。しかしながら、電機メーカーであるソニーが2020年のCESで試作EV「VISION-S」を公開し、非自動車メーカーでもEVを作り得ることを世間に示した。ソニーはこれからEVを作ることになるので、これまでのEV分野の出願件数は決して多くないと予想されるが、出願の実態を把握する価値があると思われるため、中国におけるソニーの出願状況の分析を行った。
出願状況の分析結果(全体) / Analysis Result of Patent Applications (overall)
(1)出願件数の推移 / Trends in Number of Patent Applications
上のグラフは、2011年~2020年のEV分野全体の出願件数の推移を示している。
上のグラフから分かるように、全体的には、出願件数が増加傾向にあり、2018年から2019年にかけて減少傾向が見られるがその後再び増加傾向に転じた。
次ページでは、以下のEV分野の主要分類別の出願件数の推移について分析する。
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◆同章より参考ページ◆
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※詳細については、ぜひ IPデータ集No.13 PDF版(https://www.tectra.jp/ipdata/)をご覧ください。
- <次回予告>
- 第2部 知財に関するデータ分析 / IP Data Analysis
- 第1章 中台におけるEV分野の出願状況分析 / Analysis of Patent Applications in EV field in China and Taiwan
- 第2節 台湾 / Taiwan
- 背景 / Background
- 出願状況の分析結果(全体) / Analysis Result of Patent Applications (overall)
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