【IPDB14-連載②】台湾における半導体分野の出願状況分析 (2024.4.19)
IPデータ集No.14のご紹介【IPDB14-連載②】をお届けします。
今回の内容は、第2部より、台湾における半導体分野の出願状況分析について、解析した内容の一部抜粋となります。
前回の記事をご覧になっていない方は、「【IPDB14-連載①】IPデータ集No.14のご紹介と、第1部より日本・世界の知財、経済指標、技術分野別の知財動向」もぜひご覧ください。
※IPデータ集にご興味のある方は、IPデータ集のページ(https://www.tectra.jp/ipdata/)をご覧ください。
◆◆◆ No.14 第2部 より抜粋 ◆◆◆
- <目次>
- 第2部 知財に関するデータ分析 / IP Data Analysis
- 第1章 台湾における半導体分野の出願状況分析 / Analysis of Patent Applications in Semiconductor Field in Taiwan
- 背景 / Background
- 出願状況の分析結果 / Analysis Result of Patent Applications
第1章 台湾における半導体分野の出願状況分析 / Analysis of Patent Applications in Semiconductor Field in Taiwan
背景 / Background
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響で社会活動はテレワーク、オンライン授業、オンラインビジネスに急速に変換し、パソコン、サーバー、情報通信機器などの需要が一気に加速した。また、IoT、自動運転の普及やAI、5G、電気自動車技術等の進化に伴って、これらを支える半導体の需要が急増している。一方、COVID-19のパンデミックがもたらした、サプライチェーンの混乱や人手不足の状況が続き、半導体不足の問題が深刻化している。その結果、自動車、家電製品までも生産できなくなる状態になっている。
また、米中ハイテク摩擦の影響で米国は中国の半導体関連産業に規制を強化している。米国の規制によって先端半導体製造装置などが中国へ輸出できなくなり、中国で製造できなくなった半導体が台湾の半導体メーカーに切り替えられている。台湾の半導体産業は加速的に世界に注目されている。
米IDCの調査によると、2025年までウェハ製造業全体の市場成長率は12%に達し、台湾ファウンドリー(半導体受託生産)のシェアは全世界で68%に伸びると予測している。台湾の半導体生産量は世界で極めて重要な位置を占めている。
台湾の半導体産業は、1990年から、従来欧米、日本企業のIDM(自社で設計・製造・組み立て・検査・販売まで全て一貫して行う半導体メーカー)方式と違って、ファブレス(工場を持たず、半導体の規格・開発・販売を行う半導体メーカー)、ファウンドリー(製造に特化した半導体メーカー)のように水平分業して独自な方式で発展した。その理由は製造技術の複雑化に伴い、生産設備への莫大な投資が必要であって、また新技術の投入に迅速な対応を求められたためである。次第に、半導体設計、材料、製造装置、工程材料、パッケージング検査の各分野の企業がサプライチェーンを形成していった。
近年、台湾政府は半導体産業の競争力をさらに強化し、より安定なサプライチェーンを目指すため、いくつかの関連政策を打ち出した。例えば、2020年に台湾を「半導体の先進製造センター」とする目標を宣言した。2018年から2021年にかけて、先進技術センサーユニット、AIチップ、自動運転、AR、VRなど関連の分野で40億台湾元の予算を支援した「ムーンショット計画」を2018年6月に発表した。さらに、2021年~2025年にかけて、半導体検査装置、半導体材料、オングストローム(Å)世代半導体の開発、人材育成など四つの分野に補助金を支援する「オングストローム(Å)世代半導体計画」を2020年9月に発表した。
本節では、台湾における半導体分野の特許(実用新案を含む)の出願動向を把握するために、出願状況の分析を行った。
出願状況の分析結果 / Analysis Result of Patent Applications
(1)出願件数の推移 / Trends in Number of Patent Applications
上の図表は、台湾における半導体分野(IPC=H01L)における特許(実用新案を含む)の出願件数の推移を示している。2012年1月1日~2021年12月31日に出願された特許(実用新案を含む)のうち、半導体分野の出願件数は90,802件であった。
・・・・・
◆同章より参考ページ◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
- <次回予告>
- 第2部 知財に関するデータ分析 / IP Data Analysis
- 第2章 マルチモーダルAIの出願状況分析 / Analysis of Patent Applications in Multimodal-AI
- 背景 / Background
- マルチモーダルAIに関する特許出願動向 / Trends in Patent Applications Related to Multimodal AI
● ● ● IPデータ集No.14 ご紹介のTOPICS連載シリーズ ● ● ●
【IPDB14-連載①】IPデータ集No.14のご紹介と、第1部より日本・世界の知財、経済指標、技術分野別の知財動向
【IPDB14-連載②】台湾における半導体分野の出願状況分析
【IPDB14-連載③】マルチモーダルAIの出願状況分析 ←NEXT
【IPDB14-連載④】マルチモーダルAI(対話型検索応答システム)
【IPDB14-連載⑤】マルチモーダルAI(医療データ管理システム)
【IPDB14-連載⑥】マルチモーダルAI(生体認証/教育/農業分野)
【IPDB14-連載⑦】フードテックに関する特許技術動向(食品ロス削減)
【IPDB14-連載⑧】フードテックに関する特許技術動向(食品用蛋白質)