知的財産全般に関するご質問
Q01:最近注目を集めている技術分野について、特許出願動向を知りたいのですが、参考になるものはありますか。
特許庁では、毎年、今後の進展が予想される技術テーマを選定し、「特許出願技術動向調査」というものを実施しています。
本調査では、ある技術テーマに対し特許情報に基づいて分析を行った調査結果を公表しており、企業の研究開発戦略において大変参考になると思われます。
今までに実施されたテーマについて調査結果の概要が、特許庁HPに公表されています。
例えば、平成26年度では「内視鏡」や「バイオミメティックス」、「人工知能技術」等が調査テーマとして挙がっております。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/index.html
Q02:国内の最近の出願・登録状況について具体的な件数が分かれば教えて下さい。
特許庁では、毎年、「特許行政年次報告書」というものを公表しています。
同報告書には、国内外の出願・登録状況や審査・審判の現状、特定分野の特許出願動向、国際的な知的財産制度の動向などが詳しく報告されていますのでご参考にしてください。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/index.html
なお、2014年度の我が国への特許出願件数は32万5989件でここ数年で微減しています。
2014年度の我が国の特許登録件数は22万7142件となっており、特許査定率は69.3%となっています。
Q03:当社では、ワークフローシステムをパッケージソフトとして、販売しております。最近、このソフトに近い機能をもったフリーウェアがあることがわかりました。 著作物としての当社システムの権利を保護することについてどのような対応が考えられますか。
フリーウェアが、貴社ソフトを模倣してプログラムを作成されたものでない限り、貴社ソフトは著作権法による保護を受けられないものと思われます。
また、ご質問の文章から、貴社ソフトウェアのアイディア自体の保護手段を検討されているものと推測しますが、著作権法は「表現」を保護するものであって「アイディア」を保護するものではありません。
アルゴリズム等のアイディアが同様であるプログラムの配布、販売を牽制するためには、特許法による保護によるのが効果的であると考えます。
貴社ソフトは既に発売されているため、新規性を失っている可能性が高いですが、システム開発の段階で特許出願を考慮するとよいと考えます。