【IPDB13-連載④】感染症対策に関する特許技術動向(ワクチン・治療薬)(2022.11.2)
IPデータ集No.13のご紹介【IPDB13-連載④】をお届けします。
今回の内容は、第2部より、感染症対策に関する特許技術動向(ワクチン・治療薬)について、解析した内容の一部抜粋となります。
前回の記事をご覧になっていない方は、「【IPDB13-連載③】EV分野の出願状況(台湾)(2022.10.25)」もぜひご覧ください。
※IPデータ集にご興味のある方は、IPデータ集のページ(https://www.tectra.jp/ipdata/)をご覧ください。
◆◆◆ No.13 第2部 より抜粋 ◆◆◆
- <目次>
- 第2部 知財に関するデータ分析 / IP Data Analysis
- 第2章 感染症対策に関する特許技術動向 / Current Patent Trends in Infectious Diseases
- 背景 / Background
- 第1節 ワクチン・治療薬 / Vaccine/Therapeutic Agent
- 背景 / Background
- ワクチンに関する特許出願動向 / Trends in Patent Applications Related to Vaccine
第2章 感染症対策に関する特許技術動向 / Current Patent Trends in Infectious Diseases
背景 / Background
新型コロナウイルス感染症の流行により、いまもなお多くの人々が感染し死亡しており(2022年7月時点で世界累計感染者数5.7億人、死亡者数630万人超)世界的な問題となっている。
感染症とは「感染する病気の総称であり、寄生虫・細菌・真菌・ウイルス・異常プリオンなどの病原体の感染により宿主に生じる病気の総称(Wikipediaより)」と定義され、新型コロナウイルス感染症や三大感染症と言われるマラリア・結核・エイズはもちろん、かぜやインフルエンザなど日常的に耳にする病気も感染症に含まれる。
感染症は、生物の発生から現代までヒトをはじめとする生物の病気の大部分を占めきたと言われており、感染症の歴史はわれわれが長い間感染症に立ち向かってきた歴史でもある。
その結果、これまでに感染症に対する多くの治療薬やワクチンが発明されてきたが、依然として治療薬やワクチンが有効な感染症はそのごく一部にすぎず、感染症はいまもなお人類の大きな課題となっている。
今回われわれは、新型コロナウイルス感染症の流行を目の当たりにし、感染症を「治療する」ことや「予防する」ことだけでなく、感染をいち早く「知る」、感染を「拡大させない」ことの重要性を実体験として学んだのではなかろうか。
そこで本章ではこれら感染症について、その対策に関する特許技術に焦点をあて、「ワクチン・治療薬」「診断・検査」「消毒・殺菌」の視点に分けて分析・考察を行っていく。
第1節 ワクチン・治療薬 / Vaccine/Therapeutic Agent
背景 / Background
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、世界中の人々の関心事となっている感染症のワクチンや治療薬。本節では、それら感染症のワクチン・治療薬に関する特許出願動向を分析し、各企業の特許戦略について考察する。
ワクチンに関する特許出願動向 / Trends in Patent Applications Related to Vaccine
(1)特許出願件数の推移 / Annual Number of Patent Applications
<主な感染症>
1981 エイズ(後天性免疫不全症候群、HIV)
1996 プリオン病(伝達性海綿状脳症)
1997 高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)
2002 SARS(重症急性呼吸器症候群、SARS-CoV-1)
2009 新型インフルエンザ(A/H1N1)
2012 MERS(中東呼吸器症候群MERS-CoV)
2019 COVID-19(新型コロナウイルス感染症、SARS-CoV-2)
上のグラフは、ワクチンに関する特許出願件数の推移を示している。特許出願件数は1995年~1998年にかけて急激に増加している。この時期は、プリオン病(1996)、高病原性鳥インフルエンザ(1997)が流行した時期であり、これらの感染症の拡大にともない、特許出願も活発になっているのではないかと推察される。
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◆同章より参考ページ◆
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- <次回予告>
- 第2部 知財に関するデータ分析 / IP Data Analysis
- 第2章 感染症対策に関する特許技術動向 / Current Patent Trends in Infectious Diseases
- 第2節 診断・検査 / Diagnosis・Test
- 背景 / Background
- 診断・検査に関する特許出願動向 / Trends in Patent Applications Related to Diagnosis and Test
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【IPDB13-連載①】IPデータ集No.13のご紹介と、第1部より日本・世界の知財、経済指標、技術分野別の知財動向(2022.10.6)
【IPDB13-連載②】EV分野の出願状況(中国)(2022.10.18)
【IPDB13-連載③】EV分野の出願状況(台湾)(2022.10.25)
【IPDB13-連載④】感染症対策に関する特許技術動向(ワクチン・治療薬)(2022.11.2)
【IPDB13-連載⑤】感染症対策に関する特許技術動向(診断・検査)(2022.11.17) ←NEXT
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