【IPDB14-連載⑦】フードテックに関する特許技術動向(食品ロス削減)(2024.10.30)

IPデータ集No.14のご紹介【IPDB14-連載⑦】をお届けします。
今回の内容は、第2部より、フードテックに関する特許技術動向(食品ロス削減)について、解析した内容の一部抜粋となります。

前回の記事をご覧になっていない方は、「【IPDB14-連載⑥】マルチモーダルAI(生体認証/教育/農業分野)」もぜひご覧ください。

※IPデータ集にご興味のある方は、IPデータ集のページ(https://www.tectra.jp/ipdata/)をご覧ください。

◆◆◆ No.14 第2部 より抜粋 ◆◆◆

  • <目次>
  •  第2部 知財に関するデータ分析 / IP Data Analysis
  •   第3章 フードテックに関する特許技術動向 / Current patent trends in FoodTech
  •     背景 / Background
  •    第1節 食品ロス削減 / Reduce food waste
  •     背景 / Background
  •     食品ロスに関する特許出願動向 / Trends in Patent Applications Related to Food Waste

第3章 フードテックに関する特許技術動向 / Current patent trends in FoodTech

背景 / Background

「フードテック」とは、「フード」と「テクノロジー」をかけ合わせた造語であり、最先端技術を駆使することにより、食に関する問題解決や食の可能性を広げる取り組みがなされている。また、人口の増加に伴う食料供給の問題はSDGsの目標とも深くかかわり、課題を解決するための技術として「フードテック」が注目されている。
「フードテック」により解決したい課題として、食糧不足、生産性の向上、食品ロスの削減、食の多様化への対応などが挙げられており、課題解決策の具体例として代表的なものに、大豆などの植物成分から作られた代替肉、昆虫食などがある。
本章では、第1節にてフードテックの課題の一つとして挙げられている食品ロスの削減に関連する技術の特許出願動向の分析、第2節にてフードテックの具体例として代表的な代替肉に関連する技術として、食品用蛋白質の採取・仕上げに関する特許出願動向の分析を行う。

第1節 食品ロス削減 / Reduce food waste

背景 / Background

食品ロス量は、2020年で約500万トン。日本での食品ロスは、事業系と家庭系が半々である。食品ロスの削減は、SDGsの観点からも重要な課題であり、日本においても、以下に示すような取り組みが行われている。
2000年 食品リサイクル法成立
2012年 食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム発足
2012年 食品ロス量の推計開始
・・・・・
2023年 経済産業省 IoT技術を活用したサプライチェーン効率化及び食品ロス削減に関する実証実験 -賞味・消費期限別在庫管理及びダイナミックプライシング

<食品ロス削減に関するフードテック>
食品ロスの削減を可能とする技術は、生産から流通・販売・消費まで多岐にわたっている。
例えば、食品の生産・輸送段階では、食品の安全性や鮮度を保ち、保存期間を延ばすための加工・包装技術やコードタグ(バーコード・QRコード、RFIDタグなどの電子タグ)など。
流通過程や外食産業においては、POSデータと在庫管理に基づく機械学習によって消費期限内に商品の適切な価格を導き電子棚札に表示、独自の重量計と画像認識AIによって、どのような食材がどの程度捨てられ、いくら無駄なコストを生じたのかを可視化する等である。
・・・・・

食品ロスに関する特許出願動向 / Trends in Patent Applications Related to Food Waste

食品ロスに関わりのありそうな技術分野に対して、食品ロスに関するテキストを含む特許出願を抽出し、分析を行った。

(1)特許出願件数の推移 / Annual Number of Patent Applications

上のグラフの出願件数(全体)は、食品ロスに関する特許出願件数の推移を示している。特許出願件数は、2000年頃増加し、一旦減少した後、再度2015年頃から急増している。2000年頃は、食品リサイクル法が成立され、食品ロス削減に関する取り組みが開始されたため関連する特許出願が増加したものと思われる。また、2012年には食品ロス削減のための商習慣検討ワーキングチームが発足し、食品ロス量の推計が開始されるなど、食品ロスに関する本格的取り組みが開始され、さらに2019年に食品ロス削減推進法にて、2000年度比で2030年度までに半減させる目標が設定されるなど、再度食品ロス削減に関する関心が高まり、それに応じて、特許出願が再度活発化したのではないかと推察される。
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◆同章より参考ページ◆

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  • <次回予告>
  •  第2部 知財に関するデータ分析 / IP Data Analysis
  •   第3章 フードテックに関する特許技術動向 / Current patent trends in FoodTech
  •     背景 / Background
  •    第2節 食品用蛋白質 / Food Protein
  •     背景 / Background
  •     食品用蛋白質の採取に関する特許出願動向 / Trends in Patent Applications Related to Obtaining Protein Compositions

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【IPDB14-連載②】台湾における半導体分野の出願状況分析
【IPDB14-連載③】マルチモーダルAIの出願状況分析
【IPDB14-連載④】マルチモーダルAI(対話型検索応答システム)
【IPDB14-連載⑤】マルチモーダルAI(医療データ管理システム)
【IPDB14-連載⑥】マルチモーダルAI(生体認証/教育/農業分野)
【IPDB14-連載⑦】フードテックに関する特許技術動向(食品ロス削減)
【IPDB14-連載⑧】フードテックに関する特許技術動向(食品用蛋白質)←NEXT